歴史

150年以上にわたり、より良い方法を追求して


私たちの起源は、社名の由来でもあるスペイン南部ウエルバ地方のリオティント(赤い川)鉱山にあります。リオティントの古代鉱山は紀元前3000年にまでさかのぼり、タルテッソス人、イベリア人、フェニキア人、カルタゴ人、ローマ人たちが採掘を行っていました。

1873年の創業以来、私たちは常に「より良い方法」を追求し続けてきました。課題に直面し、解決策を見出し、成功を祝福し、失敗から学ぶことで、絶え間ない成長を目指す姿勢が私たちのDNAに根付いています。

現在の私たちの強さと規模は、過去の世代が示した先見性と勇気、そして今もなお企業、地域社会、各国と重要なパートナーシップを築き続けている現従業員の献身によって支えられています。

これからも、世界が必要とする資源を提供するために、私たちは「より良い方法」を見つけ続けていきます。   

1870

1873

リオティント設立

1869年、スペイン政府はリオティント鉱山を売却することを決定しました。1871年、ヨーロッパ中の新聞に売却の広告を出したところ、4件のオファーがありました。その中で、ロンドンの銀行頭取であったスコットランド人のヒュー・マシスンが率いる実業家グループが最高のオファーを出し、1873年3月29日、マシスンを会長とするリオティントがロンドンで登記されました。


当時、マシスン会長はロンドンの金融街で最も有名な人物の一人でした。しかし、鉱山買収の機会を彼にもたらしたのは、その時すでにスペインの鉱山に権益を持っていたハインリッヒ・ドイッチュと実業家のヴィルヘルム・サンドハイムという技術者たちでした。彼らは、新しい技術的手法を使えば、この鉱山の経済的な採掘が可能になるとマシスンを説得しました。かつて古代ギリシャ人とローマ人に資源を供給していたのこの鉱山はこのチームが新たな処理施設を建設し新技術を導入したことにより、国際的なサクセスストーリーとなりました。

Rio Tinto Company founder and inaugural Chairman, Hugh Matheson. ES.21049.AHMFRT_A-1_222b

1920

1920

日本向けのホウ酸塩がアメリカ・カリフォルニア州より初出荷


1950

1956

コマルコ(現リオティント アルミニウム部門)、ボーキサイト事業をスタート


1960

1960

ケベック・アイアン・アンド・チタニウム(現RTIT ケベックオペレーション)から日本向けソレルスラグを出荷


1961

コマルコ、日本向けにボーキサイトのトライアル品を初出荷


1961

ピルバラで鉄鉱石事業を設立

鉄鉱石の埋蔵量を調査するために、地質学者たちはフィールド・テーブルとハンマーだけで西オーストラリア州のハマスレー山脈に出発しました。その後わずか 18 か月で、約 300 キロメートルの鉄道を敷設、1,200 万立方メートルの土と岩が搬出され、鉄鉱石の生産に必要な設備が整えられました。

1964

リオティントと日本のパートナーシップ始まる

1965年に日本の製鉄各社と鉄鉱石供給に関する趣意書(LOI)を締結し、1966年8月に日本の八幡製鉄所(現在の日本製鉄)に向けて鉄鉱石を初出荷しました。

これは、オーストラリアと日本との長年にわたる貿易パートナーシップの始まりであり、当社の鉄鉱石事業の始まりでもあります。現在、当社は17の鉄鉱石鉱山、4つの独立した港湾ターミナル、画期的な自動運転 AutoHaul™を含む約2,000キロメートルの鉄道ネットワークからなる世界有数の統合ネットワークを所有しています。

Japanese partners at the Hamersley Iron No. 1 contract signing Perth, 1965
1966

RTZ Japan(現リオティントジャパン)設立


1966

ピルバラから日本向け鉄鉱石の初出荷


1967

丸紅飯田(現丸紅)、日商岩井(現双日)との合弁会社 ダンピアソルトを設立


1968

USボラックス、リオティント傘下へ

1872年にホウ酸塩鉱床が発見されたカリフォルニアのデスバレーにそのルーツをたどるU.S.Boraxを買収し、ポートフォリオに新たな重要な素材が追加されました。現在では毎年約300万トンのホウ酸塩鉱石を採掘しており、世界に供給される精製ホウ酸塩製品のほぼ半分を生産しています。

The famous U.S. Borax 20 mule team in action

1970

1970

Comalco Japan設立


1971

住友化学、昭和電工との合弁会社であるニュージーランド・アルミニウム・スメルター(NZAS)が操業を開始


1972

ダンピア塩田より日本向けの工業塩が初出荷

 

1973

Hamersley Japan設立


1977

Rio Tinto Iron & Titanium Japan設立


1978

Dampier Salt Japan 設立


1979

アーガイルダイヤモンドが発見される

リオティントの前身会社が管理するアシュトン・ジョイント・ベンチャーが、西オーストラリアの人里離れた地域でアーガイル・ダイヤモンドを発見。一夜にしてカラー ダイヤモンドの世界の生産量を倍増させ世界最大の生産者となりました。希少なピンク、レッド、バイオレット・ダイヤモンドのほぼ全てを供給したこの鉱山は、2020年に閉山しました。

Argyle diamonds

1980

1982

日本企業のサポートを受け、クイーンズランド州で最初のアルミニウム製錬所が本格始動

コマルコ, カイザーアルミ、住友軽金属、神戸製鋼所、三菱商事、吉田工業(YKK)、住友アルミニウム製錬の協業でクイーンズランド州 最初のアルミニウム製錬所としてBoyne Smelters が操業を開始しました。

現在は、リオティント (59.39%), YKK AP (9.50%), UACJ Australia (9.29%), Southern Cross Aluminium (7.71%), Ryowa Development II (6.46%), Ryowa Development (5.19%) 、住友化学 (2.46%)で運営しています。

BSLはオーストラリアで最大のアルミ缶リサイクル施設として廃棄物を再利用し、循環型経済に貢献しています。

1985

チリのエスコンディダ鉱山で世界最大の銅プロジェクトが開始

リオティントが30%の権益を持つエスコンディダ銅プロジェクトに日本のパートナー(三菱商事、三菱マテリアル、JX金属(日鉱金属))が参画し、国際協力銀行(JBIC)のプロジェクトファイナンスを提供を受け、始動しました。

One of the massive sulphide ore leaching pads under construction at Escondida in 2005. These biological leaching pads use bacteria to convert sulphide ore into copper.

1990

1990

チリのエスコンディダ銅鉱山で、銅精鉱の生産を開始


1995

オーストラリアとイギリスの二元上場会社、RTZ-CRAが誕生


1997

日本のグループ関連会社を統合し、RTZ-CRAジャパン設立。リオティントジャパンへ社名変更


2000

2000

ノースの買収により、貴重な資産を獲得


Early days at Cliffs Robe River in the Pilbara, Western Australia
2001

モンゴルのオユトルゴイで銅鉱床発見

長年にわたる探査と掘削の後、今日のターコイズ・ヒル・リソーシズの一部であるアイバンホー・マインニング・モンゴリアIncは、モンゴルのゴビ砂漠にあるオユトルゴイで銅と金の複合鉱床を初めて発見しました。何年にもわたる探査により、世界最大規模の鉱床であることが明らかになりました。

オユトルゴイでは2011年に露天掘りが始まり、2013年にはモンゴル史上最大の工業設備で鉱石処理プラントが稼働し、銅精鉱の処理が開始されました。 現在、モンゴル政府が34%、リオティントが66%を共同所有し、リオティントが操業しているこの銅鉱山は、2023年3月に本格稼働を開始した地下鉱区の採掘山がフル操業に達すると、世界で4番目に大きな銅鉱山となります。

2003

北極圏近くでダイヤモンドが発見される

Diavik でのダイヤモンドの最初の生産

リオティントは、カナダのノースウェスト準州にある北極圏の約200キロメートル下のダイアヴィク・ダイヤモンド鉱山で商業生産を開始します。2017年にはカナダで記録された最大の宝石品質のダイヤモンド原石Diavik Foxfireが発掘されました。20億年前の187.7カラットのダイヤモンドは、33.74mm x 54.56mm の大きさで、その名前は、発光するオーロラを”空中のフォックステールのブラシ”と表現するカナダの民間伝承の言葉に由来しています。

The Diavik Diamond Mine in Canada’s Northwest Territories
2008

コマツの無人ダンプトラック運行システムトライアル開始

リオティント は2008年、業界でいち早く自動化などの次世代技術を活用し、より安全で効率的、かつ生産コストの低いオペレーションを実現するため、先駆的な「Mine of the Future™」プログラムを開始しました。同プログラムの鍵となるコマツの無人ダンプトラック運行システムは、トライアルの後、大規模導入を果たしました。このシステムでは、無人トラックがあらかじめ設定されたGPSコースを利用し、鉱山現場の運搬道を走行します。すべての車両の現在地、速度、進行方向は監視システムにより常時管理されています。現在もピルバラでは多くの無人ダンプトラックが活躍し、現場の生産性を向上させています。また、無人化することにより、トラック運転手や重機周辺で働く人々の危険リスクをも軽減しています。

Komatsu truck

2010

2011

東北大学「リオティント・コマツ奨学金」を設立


2012

ロンドンオリンピック・パラリンピックへメダル用素材を提供


Rio Tinto metals were used for the London 2012 Olympic medals

リオティントと日豪研究交流基金(FAJS)が「教育を通じて二国間関係を支援に関する意向書」を締結

このプログラムは、科学、技術、イノベーションに関わる分野で、二国間の共同研究やその他の産学協働を促進することで、日豪間の相互理解を深める活動を支援することを目的として開始しました。

2018年から3年間にわたり、二種類の主要温室効果ガスを回収し、有用な化学物質に変換する新たな技術の開発を通じて、地球温暖化問題に取り組む東京大学大学院とオーストラリアのクイーンズランド大学の共同プロジェクトや、東北大学とオーストラリア国立大学の、低炭素排出の脱塩法で海水の淡水化を実現するためのプロジェクトなどを支援しました。

2015

気候変動に関するパリ協定誓約書に署名


2016

リオティント、「責任あるアルミニウム」の生産者としての取り組みを推進

リオティントのアルミニウム製錬事業の大きな特徴として、カナダやニュージーランド、アイスランドで豊富な水力電源を保有または長期の電力契約を持っており、そのため事業で利用するエネルギーの約8割が再生可能なエネルギーとなっています。2016年、アルミニウム1トンあたりのカーボンフットプリントを4トンCO2e以下で保証する、世界初の第三者認証付き低炭素アルミニウムブランド、RenewAl™の供給を開始しました。4トンCO2eは世界平均と比べ約66%も低い水準です。日本はアルミ新地金を100%海外から輸入しており、ユーザーにとって、輸入されるアルミ原料をより低炭素なものに転換する選択肢となっています。

Revolution-Al™ being examined in a lab
2016

日本のパートナー各社と鉄鉱石対日出荷50周年を祝う


50 year partnership with Japan
2018

世界初の自律運行列車AutoHaul™による鉄鉱石の輸送に成功

2018年、リオティントは日立レールSTSとの協創で重量貨物輸送システム「AutoHaul™」を開発し、世界初となる無人貨物列車の走行を実現しました。西オーストラリア州ピルバラ地区の17の鉱山と港湾施設をつなぐ総延長およそ2,000kmにもわたる鉄道網。1日で約100万トンの鉄鉱石を輸送するAutoHaul™鉄道自動運行システムは、パースにあるオペレーションセンターで管理されています。 これにより、列車の運行時間と運転士の移動距離が削減されるとともに、より高い安全性や業務効率の改善を実現しました。

autohaul train
2018

Promoting research that contributes to both countries through the establishment of the Australia-Japan Research Exchange Fund


2018

化石燃料生産からの撤退


2018

世界初、カーボンフリーのアルミニウム製錬技術(Elysis™)を発表


Elysis

2020

2020

日本製鉄と気候変動に関するMOUを締結

リオティントと日本製鉄は2020年、炭素排出の少ない鉄のバリューチェーンへの移行に向けた技術の探索、開発、実証を共同で行うための覚書を締結しました。鉄鉱石の採掘から製鉄までの鉄のバリューチェーン全体で脱炭素化に向けた技術を幅広く検討し、リオティント鉄鉱石処理技術と日本製鉄の製鉄技術を統合して炭素排出を低減した革新的な鉄鋼製造プロセスの確立を目指しています。2023年2月にはこの取り組みの一環として、LNG燃料船で西オーストラリア州ピルバラから日本製鉄へ鉄鉱石を届ける初の試みを実施しました。

2021

日本の「グリーンバリューチェーン・プラットフォーム」ネットワークに参加

リオティントは透明性のある脱炭素化の取り組みを主導するために環境省が設立した「グリーン・バリューチェーンプラットフォーム 脱炭素経営促進ネットワーク」(GVCネットワーク)に参加しました。GVCネットワークは2018年に結成され、再生可能エネルギー、省エネルギー、エネルギー貯蔵に関連するソリューションを共有しています。リオティントは、自社のバリューチェーン排出(スコープ3)の88%を占める中国、日本、韓国で進めるパートナーシップを含めたアプローチを示すための、測定可能で影響度の大きいスコープ3排出の削減に取組んでいます。

2021

オーストラリアのヤーワンアルミナ精製工場に水素製造の試験プラント建設を検討

住友商事とパートナーシップを締結。
2021

鉱業におけるゼロエミッションをめざしてコマツと協力


2021

伊藤忠商事の立ち上げた船舶アンモニア燃料に関する協議会に参画


2021

西オーストラリア州から日本への鉄鉱石出荷が20億トンに到達

2021年、リオティントが西オーストラリア州ピルバラ地区から日本に向けて出荷した鉄鉱石が累計20億トンに到達しました。20億トンの鉄鉱石から作られる鉄の量は約12億トン。これは、日本一高い建造物である東京スカイツリーであれば3万基、オーストラリア、シドニーのハーバーブリッジであれば25,000基を建設することができる量です。日本はリオティントにとって重要な市場であり続けています。日本向け鉄鉱石出荷通算20億トンとは単なる数値上の到達点ではなく、リオティントと日本の長きにわたる相互信頼とパートナーシップのあかしです。

2022

最も先進的な鉱山、グダイダリ鉱山が操業開始


Gudai-Darri fines stacker working as the sun sets over Banjima country in the Pilbara, WA
2022

「資源系教育コンソーシアム」に参画

リオティントは、北海道大学大学院工学院と九州大学大学院工学府が共同で設立した、資源系人材育成の教育システムを強化、充実させることを目的とする「資源系教育コンソーシアム」に参画しました。

2022

三井物産とCO2削減で覚書


2023

責任あるアルミニウムサプライチェーンの強化に向け丸紅と連携


2024

商船三井と海運の脱炭素化を含む更なるパートナーシップ契約を締結


2025

三井物産がローズリッジ・ジョイントベンチャーへ参画

2025

アルカディウム・リチウムの買収を完了

2025

住友金属鉱山とウィヌ銅・金プロジェクトに関する最終契約を締結